障害者と健常者がともに働く農園で「姫ちんげん菜」づくりに向き合う田辺暁香さん。そこに訪ねたのは、野菜好きな人を増やしたいと野菜のソムリエになった王理恵さん。野菜を愛し、仕事を愛する女性ふたりは、野菜畑でビタミントーク!

働く障害者 インタビュー動画

二人のクロストーク

王理恵さん(以下、王):暁香さん、今日は同じ働く女性として話をしたいなぁ、と思ってここに来ました。

田辺暁香さん(以下、田辺):はい!

:さっき、ちんげん菜の根を切って収穫するお仕事を、私も一緒にやらせてもらったけれど、暁香さん、スッゴく上手だよね。根を切るのも正確だし早い! 初めからあんなに上手だったんですか?

田辺:最初はカッターが使えず、うまくできませんでした。左手がうまく使えない私のために、就労支援センターの人がブックエンドを利用した道具をつくってくれて。それで収穫作業ができるようになって、今ではだいぶ早く作業ができるようになりました。

:仕事は慣れるまでは大変だよね。私も新しい仕事をする時とか、初めての人に会う時はスゴく緊張するの。自分にできるかなぁって心配になったりして。今、仕事をしていてツラいなぁと思うことはない?

田辺:今は仕事にも慣れて、ちんげん菜の仕事が大好きになりました。

:仕事、イヤだなと思う時もあった?

田辺:家から農園まで自転車で30分かかります。雨の日は気分が落ち込んで、雨の中カッパを着て自転車をこいでいくのは、イヤだなぁと思います。

:そんな時はどうするの?

田辺:がんばって自転車こいで行けば、みんなに会える。だからがんばろう、と自分に気合いを入れます。

:自分に気合いを入れるんだ! 私は「今日、仕事に行ったら、何かいいことがあるかも。何かいい出会いがあるはず」って自分に言い聞かせて行くかな。暁香さんは今の仕事は楽しい?

田辺:姫ちんげん菜を皆さんに食べていただくことを楽しみにしています。

:暁香さんは、ちんげん菜、好き?

田辺:はい、好きです。お父さんもお母さんもおいしいと言って食べてくれます。

:あーっ、いいねぇ! それ、一番嬉しいよねー。私はね、野菜ソムリエになろうって思ったのは、母を若くしてガンで亡くしたからなの。それで、食べ物って大切なんだと気づいて、野菜のおいしさや大切さを伝えたいって考えたんです。私の父は野球の監督をしていましたが、その父のためにいろんな野菜料理をつくってあげたりするんですよ。父から初めて「おいしいよ。ありがとう」って言われた時、本当に嬉しくて、野菜ソムリエになってよかったなって思いました。暁香さんも同じだね。

田辺:はい。

 

田辺:最初は何も考えないで仕事をしていましたが、おいしい姫ちんげん菜をお客さんに食べてもらうのが、私の仕事なんだと気づきました。農園に見学者がたくさん来て「この野菜は何ですか?」とか「キレいですね」と言われたりすると、とっても嬉しいです。

:野菜には驚きや発見や感動がいっぱいありますもんね。さっき、農園で採れたての姫ちんげん菜を生で食べさせてもらったけど、ホントみずみずしくておいしい! 驚きました。中華風サラダにするといいなって思ったの。暁香さんはお料理好きですか?

田辺:私、お料理は苦手です。でも、お洗濯は大好き。朝5時に起きて家族みんなのものを洗濯してから仕事場に来ています。

:わーっ、エラいな! 何人家族なんですか?

田辺:両親と祖父母と弟と私。妹はもう結婚して子どもがいます。

:いいなあ、家族みんなで暮らしているんだ。うちは、父は福岡だし、私は東京でほとんどひとりで暮らしているから、家族が一緒にいるのってうらやましい。暁香さん、自分のつくったちんげん菜で家族に料理をつくったら、スッゴく楽しいと思うよ。お休みの日は何してるの?

田辺:友達と映画に行きます。最近は『容疑者Xの献身』や『おくりびと』を見ました。自分で稼いだお金で映画に行けるのは、とっても嬉しいです。

:そうだよねぇ。わかります。暁香さんは仕事上の夢みたいなもの、あります?

田辺:今は朝の8時から仕事を始めて、午後3時で仕事を終えていますが、本当は午後5時まで働きたいんです。それから、新しく姫ねぎのお仕事にも挑戦したいという夢があって。今がんばっています。

:新しいことにチャレンジしたいって気持ち、本当に大切だよね。私の目標はね、「お母さんやお父さんが家で料理をつくって、それを家族みんなで食べる」という家庭をたくさん増やしたいなって思ってるの。それに、野菜ソムリエとして私が野菜の魅力を伝えることで、野菜嫌いな人を野菜好きにしたいなって。その目標につながるお仕事はがんばってやりたいって思ってます。

田辺:私は、みんなで仕事をしているので、仲間に迷惑をかけないよう、みんなで決めたことは守ろうと思っています。最初は仲間にうまく溶け込めませんでした。自分の気持ちをなかなか伝えることができませんでした。でも、京丸園の人に「思っていることは伝えないとわからないよ」と言われ、自分の気持ちを伝えるようにしてきました。今ではみんなと話すのが何よりも楽しいです。

:伝えないとわからない。そうだよね。

田辺:私には障害のある弟がいるんですが、弟は仕事をしたいけど、まだできないでいます。いつか弟にお姉ちゃんの私が、がんばっているところを見てもらいたいんです。

:うん、うん、そうだね。見せてあげなくちゃね。

田辺:はい。

:今日は、自分に合った得意な仕事が見つかれば、障害があっても楽しく働くことができるんだと気づきました。今日、暁香さんに会えて本当に良かったです。

田辺:私も王さんに会えて嬉しかったです。明日、仕事仲間に王さんに会ったことを話します。みんな、うらやましがるだろうな、きっと(笑)。

■幼い頃の夢は?
 田辺さん 花屋さんで働きたかったです
 王さん 幼稚園の時、担任のシスターに憧れ、私もシスターになりたいと思いました

■リスペクトしてる人は?
 田辺さん 仕事をしっかりこなしていた養護学校の先輩
 王さん 野球人としても人間としても大好きな父です

■好きな言葉は?
 田辺さん 「努力」です
 王さん 料理が大好き

■趣味は?
 田辺さん 映画を観ることとバスケットボール
 王さん 自然教室で息子と一緒にドジョウをつかまえたのが楽しくて。
以来、ドジョウやメダカを飼うことが趣味です

■初めての給料、どう使った?
 田辺さん 一所懸命働いてもらった給料だから、みんなで楽しく過ごせることに使いたいと、
家族で食事をしました
 王さん 両親と姉妹に中華料理をごちそうし、生まれて初めて両親に何かをしてあげることができて、
スゴく大人になった気がしました

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