食品容器の製造工場で働く障害者14人の最年長者のリーダーである岡本悦子さんと、「吉本新喜劇」の座長という任務を担う川畑泰史さんが出会った。「吉本新喜劇」大好き、舞台に立つこと大好きのふたりが、ボケとツッコミの漫才トーク!

働く障害者 インタビュー動画
二人のクロストーク

川畑泰史さん(以下、川畑):先ほどは一緒にお仕事させていただいて、「お手伝いします!」なんて言っておきながら、すっかり岡本さんの足をひっぱってしまいました(笑)。すみません。けっこう難しいお仕事だなと思いましたけど、悦子さんは、このお仕事は楽しいですか?

岡本悦子さん(以下、岡本):シール。シールが楽しい。

川畑:あっ、先ほどやった、製品にシールを張るところですね。

岡本:そう。シール張るところ。

川畑:逆に、ツラいところはあります?

岡本:シールを間違えないようにやるところが、難しい。

川畑:うん、確かに僕も難しかったです。僕は座長なので役者を代表して打ち合わせなどに出るんですが、自分のやりたいこと、みんなのやりたいことを通そうとすると調整が大変。みんなの顔を思い浮かべて頑張るんです。悦子さんは、このために仕事を頑張ろうっていうのはありますか?

岡本:私が仕事をやらないと、会社が困る。(製品ができないと、出荷先の)お店も困るからがんばってる。今、吉本(の川畑さん)と話すために私が抜けているから、会社に迷惑かけている。

川畑:そうですよね(笑)。すんません。でも、そんなことまで気を配っているんだ、スゴいなぁ。あの、悦子さんはお仕事をしたくて、あちこちに履歴書を送って、不採用でもあきらめずにまた履歴書を送ってたって聞きました。不採用だと普通あきらめてしまったりするんやけど、くじけなかったのはナンでです?

岡本:働くのが好き。給料ほしかった。吉本は?

川畑:あっ、僕ですか?(笑) 吉本の給料はですね、安いですよぉ(笑)。新喜劇には4人座長がおるんやけど、それまで僕は毎日芝居に出てたのに、座長になったら、4人が交代で1週間、座長を務めるから、給料4分の1になっちゃって。ツラいですわー(笑)。悦子さん、お給料は何に使っているんですか?

岡本:髪の毛、カットしたり、服、買ったり。吉本は?

川畑:僕も服やクツ、買ったりしますね。でも、『マンスリーよしもと』っていう雑誌で、僕は、服がダサイ人として第3位に選ばれたんですよ! 第1位と2位の人間は、仕事中裸なの。だから実質、僕が1位(笑)。

岡本:あはははははっ。

川畑:悦子さん、仕事でここが難しいとかあります? 最初からうまくできましたか?

岡本:(スタッフの)清水さんに教えてもらった。最初はみんな難しい。ガムテープ張り、難しくてイヤやなぁと思った。でも、みんなイヤやけど、がんばっているから、私もがんばる。わからないことは教えてください、と言います。

川畑:そうですよね。人に聞けばいいんだよね。ちょっとずつできるようになると嬉しい。僕も先輩から教わって、芝居ちょっとずつできるようになりました。

川畑:仕事以外でがんばっていることってありますか?

岡本:お芝居してます!

川畑:ええっ!! 僕と一緒ですやん。僕は23才の時からもう18年芝居をやってます。劇団か何か入っているの? お芝居は何年やっているの? 僕たち考えてみたら同じ年、同級生ですねぇ。同じクラスになったことはないけど。

岡本:もう(芝居は)8年やってる。土曜日にやるテレビで、新喜劇の最後に出る女の子、私、好き。

川畑:誰やろ?

岡本:面白いこと言うやん。女の子で。「あ」のつく人。

川畑:「あ」のつく人? ああー、浅香あき恵さん? 女の子じゃないですよ、おばはんですよ(笑)。あの方はね、イヤなことがあったとしても、それは良くなるための準備段階やて考える前向きな人なんですよ。

岡本:(嬉しそうな表情)

川畑:悦子さんはどんな感じのお芝居してるの?

岡本:いろいろ。犬とか。

川畑:えっ!? 犬の役?

岡本:犬が病気になって、注射してもらおうと、病院に行く役。私、吉本、入りたいなぁー。

川畑:いやー、ぜひ! ぜひ!! でも、給料スゴい少ないですよー(笑)。

岡本:5年前に吉本(新喜劇を見に)行ったよ。

川畑:僕、出てた?

岡本:出てない。かわいい男、出てた。

川畑:誰やろ?

岡本:島木ジョージ。

川畑:えっ!? かわいい? かわいくないでしょう、あの男。ほかは?

岡本:覚えてない!

川畑:あーっ、島木さんの芝居がキツすぎて、ほかは覚えてないんやな、きっと(笑)。そうか。なぜお芝居したいって、悦子さんは思うのかな?

岡本:施設に通っていた時、みんなで新喜劇見に行って、私もやりたいって思った。(それで、劇団に)頼みに行った、入れてほしいって。

川畑:自分で頼みに行ったんですか。積極的やなぁ! 最初からうまくやれました?

岡本:うん。楽しい。ツラいことはない。

川畑:僕はツラいことだらけですよ、給料安いし。悦子さんはお芝居があるからお仕事もがんばることができるんやね、きっと。

―しばし、「吉本新喜劇」の話で盛り上がるふたり。

川畑:仕事の話に戻りますけど、仕事の中で得意なことはあります?

岡本:ビニール(袋)の破れの点検。

川畑:そう! そうなんですよね! 僕も悦子さんからさっき指摘されたんですよ。それ、破れてるよって。見逃さなかったもんなぁ、悦子さんは。仕事中に気をつけていることはあります? 僕はね、座長として仲間との連携プレーに気を付けてます。悦子さんはどう?

岡本:つくっている製品の中に、ゴミとか髪とかが入らないように気をつけてます。破れたままお店にいったらあかん。直し(の依頼)がこないよう、ちゃんと見とかんと。

川畑:なるほど。あの、悦子さんって最年長と聞いてますが、みんなを注意したりとかしますか?

岡本:数を間違えたらあかんとか、みんなに言ってるの。(箱に入れる)板の数とか気をつけて見てます。

川畑:座長の役目と同じやなぁ。基本が大事ということやねぇ。ところで、スーパーマーケットでエフピコの製品見かけることない?

岡本:ある。見つけると嬉しい! 買ってる人がいると嬉しい。またがんばろうって思う。

川畑:誰かが喜んでくれると、それは嬉しいよね。わかります。僕は芝居が好きで、仕事だって思えないとこあるんですよ。カッコ良すぎるかな(笑)。悦子さんはどう?

岡本:仕事、嬉しい。シール張ること、嬉しい。

川畑:いいなぁ。仕事ができて嬉しいというのは、いい言葉やなぁ。仕事、嬉しいんだ、そうか。仕事があるのはホント嬉しいよね。僕は「吉本新喜劇」を思う気持ちだけは、誰にも負けないって思ってんの。でも聞いてたら、もしかしたら悦子さんには負けたかもしれんと思ったけど(笑)。これだけは誰にも負けないってもの、悦子さんにもありますか。

岡本:仕事、楽しいと思う気持ち。仕事はみんなと一緒だから楽しい。

川畑:うん、うん。ここに来て、悦子さんに会って、仕事が好きだってことが一番大切なんだなって思いました。だって悦子さん、本当に楽しそうなんだもん! 仕事仲間と週に1回ミーティングすると聞きましたよ。みんなで目標を言い合うって。悦子さんはどんな目標?

岡本:「お仕事、がんばります」って目標。手で容器をつくる仕事をこれから覚えたいです!

川畑:いやぁー、前向きだなぁ。見習わないと。僕の目標は大阪で1番オモロイおっさんになることです。いやー、今日はここに寄せてもらって良かった。普段の暮らしの中でないがしろにしていること、仕事がある喜びとかささやかな日常の中にある幸せ、小さなことにもチャレンジしていく大切さを教えられました。本当にありがとう!

岡本:会えて嬉しかった。今度、見に行きます。吉本(新喜劇)のみんなに「テレビ、しっかりやるように」って伝えて!

川畑:悦子さんの吉本好きには、かなわんなぁ(笑)。はい! キッチリ伝えておきます!

■幼い頃の夢は?
 岡本さん お嫁さん
 川畑さん 相撲取り。お腹いっぱい食べて、年に15日、仕事は1日1分。体重には自信あったんです

■リスペクトしてる人は?
 岡本さん 塔本工場長。カッコイイから
 川畑さん イチロー選手。帰国すると「吉本新喜劇」を見に来てくれるんですが、細やかに気を使う人で、人に優しく自分に厳しい。あのストイックさが大好きです

■好きな言葉は?
 岡本さん 「おはよう」
 川畑さん 「ありがとう」。感謝の言葉「ありがとう」が大好きです

■趣味は?
 岡本さん お芝居をすることと、吉本のテレビを見ること
 川畑さん 仕事。趣味が「吉本新喜劇」ですよ、ホンマに

■初めての給料、どう使った?
 岡本さん 家族3人でタイに旅行して、自分の旅費を自分で払いました
 川畑さん 吉本で初めての給料は、貯蓄しました。450円ですけど(笑)

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