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障がい者の働く場レポート

障害のある従業員と働くことで強い職場が作れる

ヤマト運輸株式会社【東京都・江東区】 東京主管支店 ベース店 企業内ジョブコーチ 横田肇人さん

ヤマトグループが「社会に対して約束し、常に実行していくこと」として示された「企業姿勢」には、「障がいのある方の自立を願い、応援します」という言葉が堂々と。今回は、お台場にある東京主管支店をおたずねしました。毎日のようにお世話になる宅急便。ところがその便利なサービスの裏側を拝見できる機会はめったにありません。そこで障害のある方が一緒に働いている!とてもワクワクのおおつかです。

 

 

おおつか:初めて障がい者を採用したのはいつですか?
横田さん:12年前です。会社の方針ということでそういうことになりまして(笑)。そうか。やらなきゃならないんだなあ。どうやってやるんだろう。作業所の人にきいてもわからない。そうか。じゃ自分で考えなきゃいけないんだと(笑)。当時採用した方の中には今も働いてくれている方もいます。
おおつか:当時の思い出は?
横田さん:あるとき、ひとりの障がい者従業員が食堂でパニックを起こしているという連絡が入りました。彼はいわゆる重度の障害があり、コミュニケーションをとることが容易ではありません。行ってみると彼は女性事務員につかみかかるように大声で抗議している。大きな衝撃を受けました。彼女は障がい者と一緒に働くということを好ましく思っていなかったようなのです。

 

おおつか:それに対してパニックと言う形で抗議していたんですか。
横田さん:その通りです。彼は自分を認めている人なのかそうでないのか、全部分かっていたんです。多いに反省しました。要は彼らの行動は人の心を写す鏡なのだ。良い仕事をしてもらえるかどうかは自分達次第なのだ。一対一の人間として全力で関わらなければならないと。
おおつか:横田さんにとっての衝撃的体験だったわけですね。
横田さん:それから私自身の仕事の仕方が大きく変わりました。必死でがんばりました。5~6年くらいはかかったかな。おかげさまでいい職場になったと思いますよ。
おおつか:我が社でも5~6年がんばればよいのですね。
横田さん:そうです(笑)。

 

 おおつか:現場を見せてください。
横田さん:基本的にグループで仕事をしています。障がい者従業員だけを1ヶ所に集めて仕事をするというやり方ではありません。障害のある人もそうでない人も一緒に混ざって仕事をした方がうまくいくんです。職場の雰囲気も良くなりますしね。チーム員4~5人に対して1人の障がい者従業員という組み合わせです。
おおつか:どうやってトレーニングするんですか?
横田さん:見よう見まねです(笑)。一緒にやっていくうちに体が覚えるんです。

 

奥田さん:ベルトコンペヤから流れてくる荷物についている営業所ナンバーを見てピックアップをする仕事です。

 

 

 

加藤さん:「流し」の仕事。コンテナから荷物をベルトコンペヤに流す仕事だそうです。

 

 

 

 

奥山さん:キーヤーと呼ばれる仕事。ベルトコンペヤから流れてくる荷物についている伝票の営業所ナンバーを瞬時に読み取りテンキーで入力する仕事です。 (仕事が速すぎて、私のカメラと撮影技術では、この写真が限界です!)

 

 

おおつか:採用はどこで?
横田さん:支店ごとに採用していきます。
おおつか:採用基準はありますか?
横田さん:実習をして頂き、体力や本人の適性を総合的に判断しています。でも障害程度はあまり関係ないですね。重度の方のほうが良い仕事をやってくれるケースは沢山あります。時間はかかるかもしれませんが、とても真面目に仕事に取り組んでくれる。なぜか女性の応募はないんです。ヤマトの仕事は男性の仕事というイメージが強いのかもしれません。

 

おおつか:障がい者と一緒に仕事をする中で感じることはありますか?
横田さん:彼らによって我々(健常者)が育つ。社員の心が磨かれていくことをつくづく実感しています。職場の雰囲気もぐっと良くなります。仕事は我々が教えているが、心は彼らが教えてくれると感じます。
おおつか:今後の採用の予定は?
横田さん:あと20~30人は採用できると思いますよ。女性も採用したいですね。体力がある人がベターですが、それが入社時の絶対条件ではありません。働いているうちに体力はついてきますから。

 

おおつか:福祉起業したい人、障がい者雇用したい企業の担当者に向けてメッセージを。
横田さん:チームワーク、日々発生する問題や困難を乗り越える力、粘り強さ、思いやり。障がい者雇用を通じて、会社も私も様々なことを学びました。問題のないのが良い組織ではない。問題解決能力の高い組織が強い組織だと思います。強い組織を作れるかどうかは人材で決まる。彼らが我々を成長させてくれたように思います。強い組織を作りたいと思うのなら、積極的に障がい者雇用を進めるべきですね。

 

今回、秘書として同行したのは・・・  
西郷 正昭 さんです。
いつもは福祉施設側の立場で雇用をお願いする立場ですので、今回は雇用側の本音もうかがえるかと、興味津々でした。「彼らは心を見抜く鏡を持っています。下に見たり、馬鹿にしたりすれば、それは鏡のようにこちらに返ってきます」。ヤマト運輸で唯一ジョブコーチの資格を持つ横田さんのお話がすばらしかった。「問題はたくさんありますが、そのほうがいい、解決できるのだから。軽度、重度、そして健常者が自然に混ざっていたほうがいい職場になる」。日本にも、こんな考えを持っている企業があるんだと、たいへん勇気づけられました。企業の先進性とは技術力や開発力だけではなく、人間力にあると痛感した次第です。
取材日は、35度を超える猛暑日でしたが、それよりも熱い横田さんの情熱に感動した1日でした。ありがとうございました。

~おおつかのひとりごと~

「会社の方針がそういうこと(障がい者雇用を進める)になっちゃって。」横田さんが障がい者雇用に携わることになったエピソードを話してくださいました。当時、苦労している横田さんの姿を見て現場の従業員の中から1人1人と手伝う人が増えてきた。ヤマト運輸の企業風土をほうふつとさせるエピソードです。そしてどうやら12年前の「そういうこと」は、小倉昌男さんのご意向もあったよう。企業姿勢に明示されたことを実直に徹底的にやり切る現場の従業員。協力し合う組織風土。あらためてヤマト運輸という会社、そしてそこで働く人財のすばらしさを実感したおおつかでした。

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訪問先データ

021012

会社名:ヤマト運輸株式会社東京主管支店 ベース店
住所:東京都江東区有明1-6-26
TEL:03-5564-3740
事業内容:宅急便の仕分け、配送
ヤマト運輸
URL:http://www.kuronekoyamato.co.jp/top.html

 


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