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障がい者の働く場レポート

健常者と同じライン構成、同じ生産スピード。特例子会社だという甘えは一切ありません。

株式会社アドバンス(株式会社コーセー特例子会社)
代表取締役  林 忠信 さん

アドバンスの設立は1993年。就労支援機関などの存在も皆無。大企業が知的障がい者を雇用することは、大変めずらしい時代でした。
22年もの長きにわたり障がい者雇用に取り組んできた「老舗特例子会社」。
貫録すら感じさせるアドバンスの障がい者雇用の「今」をレポートします。

おおつか:社長の林さんに設立の経緯をお伺いします。
林社長:当時社長であった小林禮次郎のトップダウンだと聞いています。「障がい者の職業的自立を支援しよう」という強いメッセージが発信され、この工場ができたと。それまでの障がい者雇用人数は十分ではありませんでした。店舗で就業している美容部員の人数は相当な数でしたが、そこでの雇用は容易ではありませんし。
おおつか:なぜ知的障がい者だったんでしょうか?
林社長:親会社であるコーセーの工場内で1~2名知的障がい者を雇用した経験があったようです。それがベースになっていると思います。

おおつか:どんな仕事をなさっていますか?
林社長:当工場では、コーセー化粧品の商品のうち、主にクリーム類の製造を担当しています。充填、箱詰め、梱包の作業が障がい者の社員たちが担当する業務になります。

おおつか:特に特例子会社の場合、どのような経営方針を持つかによってその結果は大きく変わると言われていますが。
林社長:おっしゃるとおりですね。わが社は、「法定雇用率の順守と未来永劫存続する」「連結子会社として、利益にもこだわる」という二つの経営方針のもとに事業を進めています。法定雇用率を順守しながら自立経営をしていくことが求められるということです。

工場長の佐藤さんです。

佐藤工場長:生産性も通常の工場と同じであることが大前提となっています。障がい者を雇用してできる範囲の仕事をやってもらうという発想ではありません。
おおつか:「同じ」ですか?

佐藤工場長:まったく遜色なく「同じ生産性」です。
おおつか:本当ですか!
佐藤工場長:十分それだけの能力を持っている人たちだということの現れですね。
おおつか:多いに同感します。

おおつか:具体的に生産性を上げる仕組みについてお伺いします。
佐藤工場長:製造は通常の工場と同じです。製造指令に基づいた生産計画が作成されます。その計画に基づいて毎日目標を追いかけます。生産性も測定して評価されます。

障がい者社員の指導責任者の齋藤さんです。工場開設時からずっと障がい者社員の指導にあたっていらっしゃるそうです。

齋藤課長:基本的には障がい者と健常者で仕事を分ける考え方をしていません。その人の特性(得意なところ)を生かしてラインを構成します。指導は健常スタッフのみならず、先輩の障がい者も担当します。

こちらが工場の充填室です。
クリームを容器に充填する行程を担います。

その後、製品は仕上室に運ばれます。
ここでパッケージされます。

誰が障がい者で誰が健常者かは全くわかりません。

アドバンスで働くお二人の方にお話を伺いました。

生駒さんです。

おおつか:どんな仕事をしていますか?
生駒さん:充填作業、箱の組み立て作業が楽しいです。

おおつか:工場で作った製品がお店に並んだのを見たことはありますか?
生駒さん:(満面の笑みで)はい!!!うれしかったです!
おおつか:目標はありますか?
生駒さん:アドバンスで働きます!

川原さんです。リーダー的な役割の業務も担当しています。

おおつか:仕事のやりがいは何ですか?
川原さん:だんだんと難しい仕事をやるようになって、できるようになったときがうれしかったです。最初はできるかなと心配にもなりましたが。
おおつか:お休みの日には何を?
川原さん:カラオケとか買い物とかかな。
おおつか:会社を辞めたいと思ったことは?
川原さん:つらい時はちょっと思ったけど、齋藤課長に相談したりして乗り越えてきました。
おおつか:将来の夢を教えてください
川原さん:ずっとアドバンスで働きたいです!

お二人とも仕事に誇りをもち、アドバンスがとても好きなことがひしひしと伝わります。

おおつか:齋藤さんは会社設立時から障がい者社員の教育を担当されてきたそうですね。
齋藤課長:まったくの未経験からのスタートでした。
林社長:社員にとって全幅の信頼を置く存在だと思います。

おおつか:最初からうまく行きましたか?
齋藤課長:いいえ。ハンディのある人たちと働くのだから、とにかく優しく接しようとしていましたが、それは逆効果でした。要は、「ふつうに接する」「労働力としてしっかり期待する」「働くうえでの得意不得意を理解する」「社会人として教育する」なんだなあと気づきました。新入社員と同じですよね。
おおつか:おっしゃる通りです。

おおつか:今後のビジョンをお聞かせください
林社長:生産性と品質をさらに磨き込み、他の工場と競っていきたいです。そして精神障がい者の雇用の可能性にもチャレンジしたいと思っています。

~おおつかのひとりごと~

抜きんでた成果を上げている特例子会社には共通点があると感じる。経営方針の存在。利益を軽視しないこと。そして障がい者の能力開発に徹底的に取り組み、そのための仕組みや改善が毎日毎日積み重ねられていること。その企業のDNAや礼儀正しさも投影していくように思う。完成域に達していながらも、まだまだ高みを目指すとおっしゃる林社長のお言葉に、コーセーという企業のすばらしさを痛感した。

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訪問先データ

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会社名:株式会社アドバンス
所在地:埼玉県狭山市北入曽856-4
障がい者数:40人(身体21人、精神1人、知的18人)

 


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