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障がい者の働く場レポート

盲ろう者の活躍の機会は必ず作れる!そう確信していました

有限会社 フォレスト・プラクティス【東京都・文京区】 訪問マッサージ 田辺 大 さん

盲ろう者の活躍の機会は必ず作れる!そう確信していました

「手がたり」のサービスは、盲ろう者と手引き者(「コンダクター」と呼ばれる)が企業に訪問してマッサージを行うというもの。というわけで、今回はその訪問マッサージを導入している企業にお伺いしての取材となりました。
代表の田辺さん、マッサージ師の星野さん、導入先企業のオフィスマネジメントシステム(以下「OMS」という)の儀間さんにもお話をうかがいました。

 

初めに、施術の様子を見せていただきました。
施術者の星野さんです。

 

 

 

 

会議室の一角を使って行われます。
「コンダクター」と呼ばれる手引き者が、お客様とのコミュニケーションを仲立ちします。
盲ろう者が、手引き者を伴い、民間企業で働けるようになったのは、この事業が史上初といわれています。

 

 

 

おおつか:手がたりのオフィスマッサージとはどんなサービスですか?
田辺さん:定期的に会社を訪問し会議室などの小さなスペースをその日だけお借りし、オフィスでマッサージをするんです。施術するのは、目と耳の両方に障がいを持つ盲ろう者や視覚障がい者です。マッサージの国家資格を取得した一流の施術者です。コンダクターと呼ばれる健常者がペアを組んで、施術を受ける人の希望を伝えたり、カルテ作成を担当しています。
おおつか:社員の評判はどうですか?
OMS儀間さん:とても喜んでくれています。デスクワークが中心のスタッフも多く、肩こりや腰痛などを訴える社員も多くいます。精神的なリフレッシュにもなっているようです。すぐに予約でいっぱいになってしまいます。

 

おおつか:田辺さんは、社会起業家コンサルタントとして活躍していらっしゃいましたよね。
田辺さん: 1992年の北海道・奥尻の災害ボランティアが原点です。でもこういう経験を社会の中でどう生かして良いかわからず、自動車メーカーに就職しました。社会の課題を事業的手法で解決すればいいんだとわかり、社会起業家のコンサルタントの道を選びました。

 

おおつか:そんな田辺さんが、どうしてこの事業を始めたんですか?
田辺さん:福祉系の大学に通っていた妹が、当時付き合っていた彼と、できちゃった婚をすると言い出したんです。彼は大学4年生で卒業間近だというのに、就職も決まっていない!しかも盲ろう者だと!兄貴としてはショックでした。このままでは妹は結婚しても幸せになれないじゃないかと。盲ろう者が経済的に自立するための事業を自分で作らなければ!という、やむにやまれぬ気持ちでした。
おおつか:最初から訪問マッサージでやろうと思ったのですか?
田辺さん:最初は西荻窪の駅の近くに店舗を持とうとしていました。いろいろと開店準備をしたんですが、結局「前例がないから」と銀行融資を受けられませんでした。設計業者さんや内装業者さんは仕事を開始していましたし、不動産屋さんには敷金礼金を払った後でしたので大変でした。

 

おおつか:やめようと思わなかったんですか?
田辺さん:客観的に考えるとものすごくピンチだったと思うんです。でも不思議とやめようとは思いませんでしたね。「前例がないから」うまくいかない、ということではないですから。
けれども、当時から一緒に働いてくれている星野さん(盲ろう者)たちにも迷惑をかけました。そんな折、星野さんが「田辺と一緒にやる。今やめたら盲ろう者の自立の道が30年遅れるから」といってくれたんです。障がい者のマッサージ師が活躍する機会はある。だから何があっても続けよう。今できることをやっていれば必ず道は開けると確信していたんです。

 

星野さん:私は中途で視覚障がいを持ち、以前治療院で働いていました。聴覚の障がいも進んできたことで、お客さんとのコミュニケーションがうまくとれず、ストレスを感じることも多かった。けれども、手がたりのオフィスマッサージでは、コンダクターが同行してくれるので、そんな苦労をしなくてもいいんです。自分が障がい者であることすら忘れてしまう。社会の中で生きているという感覚を取り戻しました。
おおつか:最近メディアでもすごく注目されてますよね!
田辺さん:ありがとうございます。でも地道な営業もやってるんです。こういう営業ツールを作って、一社一社企業を訪問しているんです。

 

おおつか:これからの目標を教えてください。
田辺さん:今年12月までに障がい者のマッサージ師を5人、コンダクター(手引き者)を5人雇用することです。さらにたくさんのお客様に出張マッサージをお届けできる体制が整います。そして、10年後には企業で働く10人に1人がオフィスマッサージを受けられるような世の中にしていきたいと思っています。
おおつか:福祉起業を目指している人にメッセージを。
田辺さん:リスクをとるということをお伝えしたいですね。つまり数値目標を掲げること。「少しでも○○できれば」では結果は出せないんです。公約すればそうなるように行動しなければならない。それが壁を突破してくれると思いますよ。前例がないからといって銀行に断られたときに、あきらめていれば今日はやってきていないんですからね(笑)。

 

今回、秘書として同行したのは・・・
中西 かほりさんです。
大塚さんの秘書として同行させていただいた中西かほりです。今回、初めて田辺さんのような「福祉起業家」の方のお話をお聞きして、また障がい者である星野さんの働く姿を拝見して大変勉強になりました。
一番強く感じたのは、障がいは個性にもなりうるということです。盲ろう者である星野さんは、盲ろうであるからこそ健常者より手の指の神経が発達しているのだそうです。そこらへんのマッサージ師さんよりも上手いそうですよ!障がい者の障がいというものを逆手にとり、個性としてうまく活用することで、健常者と同等に、またそれ以上に活躍できることを学びました。
また、驚いたのは料金についてです。いくらマッサージが上手いといっても、やはり障がいがあるためにコンダクターが付き添うので、料金はどうしても高くなるのだろうと予想していました。しかし、実際は民間企業の訪問マッサージの料金と同じくらいだと伺い、驚きました。
そして、初めから終わりまで熱く語ってくださった田辺さん。10年後の夢を語る田辺さんからは、かなり大きなエネルギーを感じました。田辺さんのお話を聞き、至る所で障がい者を見かける、それが当たり前の世の中になるように、障がい者の活躍できる環境というものをつくっていく必要があると感じました。そのために私ができることは、本当に微々たるものかもしれないですが、今回の貴重な経験を少しでも多くの人に知らせることだと思いました。今回は、本当に貴重な経験ありがとうございました。

~おおつかのひとりごと~

FVPも設立まもなくコクキン(国民金融公庫)に融資を断られた経験があります(笑)。「立派なことをやっていらしゃいますねえ。でも前例がないですからぁ」だったら貸してくれなくて良いです!だったら自分たちで前例を作りますから!そんな勝気な自分を思い出しているおおつかでした。

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訪問先データ

005000

会社名:有限会社 フォレスト・プラクティス
住所:東京都文京区本郷3-37-8 本郷春木町ビル9階
TEL:03-3815-6667

手がたり
URL:http://www.officemassage.co.jp/a/Top.html

 


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