ホーム障がい者の働く場レポートおおつかがゆく > 障がい者は決してできない人たちではないのです

障がい者の働く場レポート

障がい者は決してできない人たちではないのです

花王ピオニー株式会社
代表取締役社長 荒井 一雄さん
プロダクション部門マネジャー 北村 裕次さん

 

洗剤、化粧品、ヘアケア製品、そして今や大人の強い味方のヘルシア飲料に至るまで、日本に住んでいて花王製品のお世話にならずに生きていくことはできない私たち。そんな私たちをサポートしてくれている花王製品、その製品づくりを担当している知的障がいのある社員たち。わくわくしながらお訪ねいたしました。

 

お仕事風景をご紹介します。東京・墨田区の工場
「すみだ事業場」の敷地内にあります。同工場で製造されている化粧品「花王ソフィーナ」の商品や試供品のパッキング(箱詰めや袋詰め作業)をしています。

 

 

作業はベルトコンベア方式で行われています。

 

 

 

 

 

取材にうかがったときは、
美白化粧水とUV乳液のセット作業でした。

 

 

 

 

まず、化粧水と乳液をテープで留めます。

 

 

 

 

袋の中に台紙を入れる工程です。
袋と商品をセットにして、次の工程に送ります。

 

 

 

ふたをしめて
検品をして

 

 

 

熱でシールします。

 

 

 

 

箱詰めして出荷します。

 

 

 

 

これらが、花王ピオニーで作っている企画品。
全国のドラッグストアやスーパーの店頭に並びます。

 

 

 

社長の荒井さんにお話をうかがいます。
おおつか:障がい者雇用率をクリアしていたのに、どうして特例子会社をつくったのですか?
荒井さん:経営トップの深い理解と熱い思いのもと、特例子会社設立プロジェクトが立ち上がりました。2004年、当時の会長が、知的障がい者が働く他社の特例子会社を視察したことがきっかけで、花王グループとしての社会貢献、社会的責任をきちんと果たすためには、さまざまな障がい特性に応じた仕事内容、職場環境を整えようと。その一つの手段が特例子会社だったということです。

 

荒井さん:最初は戸惑いもあったようです。自分たちで通勤できるのだろうか。敷地内に寮を作らなければならないのだろうかと、不安の声もあったようです。
おおつか:ほほう。
荒井さん:更衣室や食堂は、工場で働く一般社員と同じ場所で分け隔てはありません。ですが、キャッシュレス(ICカード)のカフェテリア形式の食堂で、障がい者従業員たちは自分たちだけで注文できないのではないかなどと大いに心配し、初めは彼らが注文するそばにずっと 付き添っていたそうです。でも、いらぬ心配でした。
おおつか:ほほう(笑)
荒井さん:ほんと、今では笑い話にもなりますが、いったい障がい者従業員は何ができて、どれくらいのサポートが必要なのかは、まったく想像つかなかったわけで、一つひとつが手探りでした。

 

昨年10月から着任されたばかりの北村さんです。
北村さん:6カ月経ちだいぶ慣れました(笑)。でも戸惑いはまだあります(笑)ピオニーがあることは知っていましたし、以前の職場でも数名の知的障がい者とは一緒に働いたことはありました。けれども今度は19人です(笑)
おおつか:実感がこもっていますね(笑)
北村さん:でも仕事に関しては同じです。障がいがあってもなくても一緒に「花王ウェイ」を追求していくのですから。
おおつか:すばらしい!

 

荒井さん:開設当初は生産計画も、健常者のラインの2分の1くらいを目標にしました。
おおつか:今は?
荒井さん:1年かからずに通常のラインと同等の生産性です。平均で1日に約1万個、単品生産では5万個という実績もありました。
おおつか:すごいですね!
荒井さん:能力は持っているので、特性に応じて持てる力を発揮できれば「できる」んですよ!

 

おおつか:持てる力を発揮させるコツを教えてください。
荒井さん:作業特性×人員配置×チームワークの方程式です。個人の能力を見極めて、得意な作業に配置すること、一人ひとりがお互いの作業を配慮して仕事を進めることで、生産性が飛躍的に上がる。
おおつか:なるほど~!
荒井さん:頑張った成果が、1日の出来高、生産量として実感できること、自分たちがつくった製品が日本全国の店頭に陳列され、その製品をお客様が買ってくださっているという喜びが、意欲を向上させていると思います。

 

従業員の斉藤さん(勤続8年目)にインタビューしました
おおつか:お仕事するときどんなことに気をつけてますか?
斉藤さん:検品を間違えないようにがんばっています。
おおつか:お休みの日は何をしていますか?
斉藤さん:仕事のスケジュールを考えたり、準備をしています。(←すごい!)
おおつか:目標を教えてください
おおつか:定年まで働くことです(←これまたすごい!)

 

というわけで、最初から最後までなるほど、すばらしい、すごいと、感動し続け、花王製品をしっかり支え続けている障がい者従業員さんにお会いできて幸せな気分もなりました。

 

 

今回の秘書は・・・FVPの岩田です。

「恥ずかしいけれど、最初の頃はいらない心配ばかりしていた」と
ざっくばらんにお話くださった荒井社長。

フタを開けてみれば、同僚とチームワークを発揮して
健常者スタッフのラインに劣らない生産量を達成しているメンバーのみなさん。

「彼らは働くことを会社で学んでいるけれど、
それ以上に、わたしたちも彼らからたくさんのことを学ばせてもらっています」と
おだやかにお話される社長の笑顔がとても印象的でした。

福祉の場を目指す必要はない。
共に働く同僚の得意・不得意を見極めて、
対等な目線で、仕事を、“よきモノづくり”を伝えていくのだという花王ピオニーさん。
障がい者が“あたりまえ”に働くというのは、まさにこういうことなのだと実感させて
いただきました。

 

~おおつかのひとりごと~

経済学に「比較優位の原則」というのがあるそうです。
ほかの人と比べてすべての面で能力が劣っている人でも、分業で成り立つビジネスの上では「比較優位」を持ち、仕事に貢献できるという考え方。
障がい者が「すべての面で能力が劣る」と言い切ることには抵抗がありますが、花王ピオニーが、工夫によって通常(健常者)と同じ生産性を実現しているという事実。これを比較優位の原則にあてはめて考えると極めて納得性が高いわけです。
生産性をあげたくない企業はないわけで、だとすれば、やはり障がい者を雇用しないわけにはいかないと思ったおおつかなのでした。

  • おおつかがゆく一覧
  • 企業の方へ
  • 行政福祉事業者の方へ

訪問先データ

会社名:花王ピオニー株式会社
所在地:〒131-8501 東京都墨田区文花2-1-3
障がい者雇用数:19名(知的障がい)

 


お問い合わせ・ご相談・ご依頼はこちら
お問い合わせ

おといあわせ
企業向けサービスサイト

最新の記事

せっかくの能力を育てて戦力化しなければもったいないと思います

健常者と同じライン構成、同じ生産スピード。特例子会社だという甘えは一切ありません。

北海道から沖縄まで 全国レベルでの雇用創出に取り組んでいます

一緒に働くようになって社員がやさしくなりました

精神科病院ならではの強みを生かした精神障がい者雇用に取り組んでいます。

「個性の尊重」はグループ全体の信念。 信念のもとに、ひとりひとりが輝く障がい者雇用に取り組んでいます。

その人の得意なことが戦力になる職場です

障がい者本人と指導役の組み合わせが安定雇用の秘訣です

「さまざまな個性や背景を持った人間を受け入れる」建学の精神の実践としての障がい者雇用を

はっきり言って、「仕事出来る」と感じています

京王電鉄、京王グループ企業の底力として多くの知的障がい者が活躍しています

経験したことのすべてが今のノウハウになっています

障がい者を戦力化するためには、期待し、責任のある仕事をしてもらうこと

障がい者雇用を成功させるには 就労支援機関との連携がポイントだと思います

障がいのある人もない人も共にチャレンジできる職場づくりを目指しています

親会社の事業と利益に直結する業務を追求

ぐるなびの営業支援部隊として飲食店とお客様をつなぐ仕事をしています!

「会社のど真ん中の仕事」を担ってもらっています

「障害者が主役の会社」だからこそきちんと利益を出し続けています

意欲重視の採用で法定雇用率を大きく上回る実雇用率を達成

9拠点に多様な障がい者を配置し一気に障がい者雇用率3%を達成

「よく生きる」社員を増やすため、人を育て事業を育てていきます

障がい者雇用1号店のフォーマットを広げて150人の雇用が実現

障がい者は決してできない人たちではないのです

組織横断型のプロジェクトチームの存在と障がい者の質の高い仕事が職域を広げていきました

発達障害者の強みを生かした職域開拓に挑戦し続けます

障がいのある人もない人も気兼ねなくお越しいただけるカフェです

「一緒に働いてこそノーマライゼーション」を実践していきます

“仕事ありき”の採用で、全社員がいきいき働ける環境作りを目指します

あたりまえですが「戦力として」採用しています

最先端の医療現場が取り組む「病院らしい障害者雇用」

障害者の強みを最大に発揮させることで行列のできるレストランを作れました

インターンシップで受け入れた障がい者を採用しました

働く喜びを実感して認め合って広げる会社を目指しています

羽田空港に出現!障がいのある人もない人も共に働くハンバーガーショップ

「こういう障がいだからできない」と思わないでやってみると出来るのです

戦力だから長続きするんです。戦力だから本人も幸せを感じるんです

地域に愛される郵便局だから地域の障がい者を採用しています

1年前は一緒に働くイメージが持てなかったのに、今は普通の風景になりました

企業は障がい者とともに成長できるのです

障がい者を戦力化することは会社の責任だと思っています

多くの障がい者が活躍できる職場を作ります!

本人も店舗にもハッピーな障がい者雇用を目指してます

「やればできる」を実感しながら仕事をしています。

障害のある社員に月給25万円払える会社を本気で目指しています

今では一緒に働く親会社のスタッフたちとランチへ行く仲になっています

本質的な社会貢献は障がい者とともにはたらき、ともにいきることです

「居酒屋業界トップ」を支える縁の下の力持ち!お掃除プロフェッショナル集団

「ものすごくうまいパン屋。実は障がい者が働いていた」を目指しています

グループ会社の誰より顔が広いのが我が社の主役である知的障がい者社員たちです

全国初!障がい者による障がい児のための学習クラブ 翔和学園

障害のある人もない人も一緒に働くたい焼き屋さんが茅ヶ崎に誕生

人間力の高い社員のいる職場なら障がい者雇用は簡単です

トップの掛け声から始まったナチュラルな障がい者雇用

小島靖子さんが立ち上げた障がい者が働く「街のど真ん中のレストラン」

「障がい者雇用と農業でニッポンを元気にしたい」

元料理長が夢を実現!地産地消のユニバーサルレストラン

「仕事をする上では彼らを障がい者扱いする必要はありません。十分戦力になってくれます。」

「行政こそ知的障がい者雇用の範を示す必要がある」

うまくいかないのは障害のせいではない 仕組みが悪いのだ

施設から飛び出してやる以上は意地でも雇用をつくらなきゃ!そう思ってます。

最高の売場にするために障がい者の仕事は欠かせません

事業として自立しているからゴーイングコンサーン(永続的発展)が可能なのです

定年まで勤め上げられる職場づくりを目指しています

コンビニの店舗で就労に向けた訓練ができる!

音楽が聴けて、杜の都仙台の古いお屋敷町・長町に誕生した「遊楽庵・びすた~り」

社会貢献室発の社内ベンチャー。移動が困難な重度障がい者の在宅雇用に成功

障害のある従業員と働くことで強い職場が作れる

地下鉄のコンコースに障がい者の働くベーカリーショップを発見!

「障害がある人も働く」特別なことをやっているわけではありません

工夫と改善で知的障者 により高度で質の高い職域を実現

福祉施設との連携・協働で重度障がい者の雇用を実現

就職して「社会の一員」になれたような気がします

「We are OK!日本一楽しい朝礼は、 障害があってもなくても関係ない!全ての社員が輝く場」

続けることで働く力を発揮する。 企業も障がい者本人もあきめないことが大切です

「大人になったら働く」を支える集団です

「もともと企業は仕事を通じて人を成長させることが得意なのです」

「障害がある人も一緒に働くのが当たり前ですから」

「会社や施設にいかなくても仕事はできる!」 重度障がい者の就労機会をもっともっと作り出したい

株式会社だからこそできる福祉サービスがあると思います

仕事をする上では障がい者だとか健常者だとかはまったく関係ありません

精神障がい者の雇用は難しくない。 雇用すると意思決定すればいいのです。

3年で100人の障害者雇用が目標。 貪欲にビジネスチャンスを追求していきます

盲ろう者の活躍の機会は必ず作れる!そう確信していました

行政マンから福祉起業家へ転身! 「障がい者の働く場を自分でつくりたかったんです」

飲食店激戦区の恵比寿で16年! 障がい者、健常者、外国人がともに働くスリランカ料理店

横浜市初!民間企業が運営する福祉喫茶(ふれあいショップ)

ゴールと優先順位をはっきりさせること・あとはあきらめずにやりつづけること

地域の方に「ゆっくりと」くつろいでいただけるお店を目指して

地域別

北海道・東北

関東

中部・北陸

関西

中国

九州・沖縄