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障がい者の働く場レポート

組織横断型のプロジェクトチームの存在と障がい者の質の高い仕事が職域を広げていきました

国立がん研究センター中央病院
人事部 人事課長 福田一行さん

国立がん研究センターの取材は、千葉・柏にある国立がん研究センター東病院に続いて2回目になります。

前回の記事はこちらから

 

 

今回おたずねしたのは「中央病院」、いわゆる「築地」の国立がん研究センターです。
雇用された10名の障害者たちは、多種多様な職域でがんセンターの医師、看護師、研究者、事務職員などの人たちを支えているのです。

 

 

 

こちらが国立がん研究センター中央病院。
築地市場の真ん前に位置しています。

 

 

 

まずは現場を案内していただきます。
点滴用のテープのカット作業の様子です。

 

 

 

看護師さんがやっていた仕事を障害者スタッフが担っています。
よって看護師さんはより多くの時間を看護業務に割くことができるようになります。

 

 

機密部署の裁断業務です。

 

 

 

 

みなさんニコニコお仕事していて、こちらもうれしい気分になります。

 

 

 

院内の郵便物の仕分け配達業務のお仕事。
郵便物を部署別にバッグに詰めします。

 

 

 

 各自配達に向かいます。

 

 

 

 

「郵便物のお届けにあがりました!」ハキハキした声とともに、部署の担当職員に手渡しします。
「ご苦労様です」なんて言葉が飛び交います!
すばらしい!

 

 

郵便物発送業務です。
各部署から依頼された発送物の重さを量り、部署や種類を入力して印字します。

 

 

 

 お話をうかがった人事部人事課長の福田さんです。
福田さん:平成22年3月までは、がん研究センターは国の直営でした。4月の独立行政法人化によって障がい者雇用の義務を負うこととなりましたが、当時は法定雇用率を満たしていませんでした。
おおつか:ふむふむ。

 

福田さん:職員向けに通知を出して、在職職員の中での調査を行いました。次に身体障がい者を公募して面接をしました。
おおつか:なるほと。
福田さん:残念ながら雇用率を達成するというよい結果は得られませんでした。
おおつか:なんと!がんセンターですら、身体障がい者は採用が難しかったんですか!

 

福田さん:身体障がい者の採用だけに頼っていてはダメ。僕も実際企業の見学に行きましたが、知的障がい者を雇用しなければ社会的責任が果たせないと痛感しました。
おおつか:でも、そんなに簡単なことではないですよね。
福田さん:おっしゃる通り、人事部だけでは実現不可能です。

 

おおつか:それで?
福田さん:まずは「ビジネスサポートセンター設立プロジェクトチーム」を発足させました。理事長をトップに、研究所長、副院長、看護部長、経営企画部長、人事部などがメンバーです。プロジェクトチームの目的は、センターの障がい者雇用方針を作ることです。

 

 

おおつか:どのような方針を作ったのですか?
福田さん:障がいのある方の就労機会を提供すること、就労後も安心して働き続けられる職場環境を積極的に確立すること、そして国立高度医療センター(ナショナルセンター)の先駆けとして障がい者雇用に取り組むということです。会議を重ねる過程で、法人全体のコンセンサス、理解が得られて行ったのです
おおつか:なるほど~!!

 

次は、リネン業務です。
患者さんの使用するかけ布団や枕にカバーをつけ、シーツやパッドを用意する仕事。
これぞ病院ならではの職域です。

 

 

おおつか:リネン業務は最初から取り組んでいたのですか?
福田さん:つい最近に始まった仕事です。彼ら(障がい者)に依頼しても問題ないと分かってくれたと思います。職域開拓の基本は「信用」ですからね。

 

 

おおつか:「信用」を獲得するために意識してやっていることはありますか?
福田さん:スローガンが3つあります。
①仕事・ルールは厳しく、職場は楽しく
②挨拶はかるく、つでも、きに、づけて
③仕事は焦らず、確実に、丁寧に
これを徹底して実践していこうとしています。
おおつか:納得です。

 

壁に貼られたポスターなどにスローガンを業務で実践しようとしていることがよくわかります。

 

 

 

福田さん:今年4月から更に3名の新入スタッフを迎えます。当初は郵便仕分け業務を行いました。その後仕分けだけでなく、職場まで届けるサービスを行い、今は発送業務まで一連の流れとして行っています。その他にも名刺作成業務、会議資料の挟み込み作業などを行ってきており、今ではセンターになくてならない貴重な戦力となっています。今後はこれまでの信頼を生かして、医療補助関連の業務の拡大を図る予定です。

 

福田さん:彼らに出来る仕事はたくさんあるのです。点滴用テープは全ての病棟で、またリネン業務の仕事ももっと増やしていきたいと思います!これからもがん研究センターの縁の下の力持ちとして、定年退職するまで働き続けられるよう努力したいと思っています。
おおつか:障がい者雇用の分野でもナショナルセンターとして輝き続けてください!

 

今回の秘書は・・・FVPの松本です。

「何階をご利用ですか?」
各部署へ郵便物を届けに行く際、自然にエレベーターの階数ボタンの前に立ち、後から乗ってくる人に声をかける青いジャケットのメンバーさん。
たまたま、その人が声かけできていたのではなく、私が遭遇したメンバーさんはみんなそうしていました。その様子があまりにも自然で、パズルのパーツが絵としてはまるように、彼らはしっかりこの病院組織のなくてはならない機能の一部門としてはまっているのだなあ、と、エレベーターでの様子がそれを象徴していることのように感じました。
彼らの青いジャケットの後姿が、がん研究センターの管理棟のいろいろな場所でとても様になっていて、カッコよく思えました。

~おおつかのひとりごと~

障害者雇用は組織全体の課題にしなければうまく行かないことは周知の事実です。でもそれが最も難しい。
ならばと「プロジェクトチーム」が発足するわけです。これは他の業種にも参考になると思います。最初の業務は郵便仕分けから。信頼を得て、徐々に採用する障害者を増やし職域を増やしリネン業務にも手掛けるようになったという次第です。「障害者雇用は大上段に振りかぶって始めてはならない」「小さな成功事例を作ってそれを組織内に横展開、浸透させていくべし」と先輩に教わりました。国立がん研究センター中央病院は、まさにその考え方の成功事例のように感じます。

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訪問先データ

独立行政法人国立がん研究センター

東京都中央区築地5-1-1

TEL:03-3542-2511

http://www.ncc.go.jp/jp/ncce/


障害者 雇用数:10名(平成25年2月現在)

 


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