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障がい者の働く場レポート

最先端の医療現場が取り組む「病院らしい障害者雇用」

国立がん研究センター東病院 ジョブコーチ 長澤京子さん

できればお世話になりたくないけど、いざという時なくてはならない存在の「がんセンター」。
千葉県柏市にある国立がん研究センター東病院は、陽子線治療と呼ばれるがんの先端治療施設を有する医療施設です。
現場ではどんな風にお仕事をしてるのでしょう…
興味津々でお伺いしました。

 
まずはお仕事風景から。
注射用のアルコールシート等を切り離す仕事です。
切り離した後は看護師さんがすぐに取り出せるよう箱詰めも行います。

 

 

 

とても丁寧に、でもすばやく手際よく作業をすすめます。

 

 

 

 

患者さんが直接肌に貼る、チューブなどを固定するばんそうこうをカットする作業。

 

 

 

 

固定用ばんそうこうをカットするときの週間注文書。
いろいろな形を作るのです。細かい作業の連続です。

 

 

 

 
依頼された作業が終わったら、病棟のナースステーションに納品(配達)に行きます。

 

 

 

 

これまで看護師さん等がやっていた、こまごまとした周辺の仕事を請け負って障害者スタッフが担当しています。障害者スタッフがそのお仕事をやることによって、看護師さんは本来業務に割く時間が増え、お仕事の効率が上がる。役割分担をすることでの生産性の向上が実現しています。

 

看護師さんからのお礼のお手紙がいっぱいです。

 

 

 

 

取材した日の一日のスケジュールです。時間別に細かく設定されています。その都度指示を受けるのではなく、作業スケジュールを自分で確認して仕事をすすめます。

 

 

事務部長の外村さんとジョブコーチの長澤さんにインタビューをしました。
おおつか:知的障害者の雇用はいつから始まったのですか。
外村さん:23年6月にまず2名採用し、続いて24年4月に2名採用しました。1期生は丸1年経過した所です。病院で障害者雇用をするのですから「病院らしい業務にこだわろう」と今までやってきました。

おおつか:1年経っていかがでしょうか。
外村さん:想像以上に順調だと思います。医療スタッフはとても喜んでくれています。「障害者スタッフがやってくれるお陰で本来業務に集中する時間も増えた」と、障害者スタッフの職域もどんどん広がっています。

 

 

おおつか:看護師さんたちは積極的に仕事を依頼してくれましたか?
長澤さん:大丈夫でした。医療に従事する者はもともと障害についても勉強してきていますので。一般の方々より障害者に対する理解が深いと思います。看護部の協力があってこそ実現できました。看護師さんは同じ対人援助職の先人ですし、ジョブコーチのよき理解者でもあると感じます。

 

おおつか:お仕事内容を決める時のポイントは?
長澤さん:病院らしい、ということに加えて、「多種多様な仕事」をやってもらうようにしてきました。一般的に知的障害者の仕事というのは「単純」「繰り返し」が良いとされていますが、そうでないケースもあると思います、障害者も障害者雇用も多様性の時代ですから。

 

長澤さん:やってもらうと、いろんな種類の仕事を提供することで、集中力の増加、仕事の充足感の獲得等のよい効果が見られました。 いろいろなことにチャレンジできる環境を、スタッフが楽しい職場と捉えられているようなので、嬉しいです。
おおつか:病院ならではのお仕事ですね!

 

 

外村さん:さすがに注射針業務(切り離し等)をやってもらう時には、関係者から消極的な声も聞こえました。でも、もちろん問題など何も起こっておりません。
長澤さん:責任のある仕事をやってもらうからこそ誇りが生まれます。緊張感を持って仕事に取り組むことで成長になるのだと思います。

 

おおつか:国立がん研究センターで率先して障害者雇用に取り組む事は波及効果も大きいですね。
外村さん:病院という業種は障害者の職域は沢山存在しています。仕事はいくらでもある。けれども病院らしい職域の前例がなかった。モデル事例的に発信することも役割だと思っています。
おおつか:全国の病院で障害者雇用が広まることを応援します!

~おおつかのひとりごと~

取材に行く前のドクターのイメージは、申し訳ないのですが、自ら進んで挨拶などはしない感じでした。でも、行ってみると、障害者スタッフに気さくに挨拶する姿が頻繁に見られました。障害者スタッフたちが分け隔てなく誰に対しても明るく挨拶をするので、病院の雰囲気も明るくなっているようです。元気に挨拶されたら、元気に挨拶返したくなりますよね。がん治療の最先端でお仕事しているドクターたちに、ピースフルな風を吹かしてくれている障害者スタッフのチカラに改めて敬服しました。

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訪問先データ

独立行政法人国立がん研究センター東病院
277-8577 千葉県柏市柏の葉6-5-1
04-7133-1111(代)
URL:http://www.ncc.go.jp/jp/ncce/
職員数:937名
障害者雇用数:7名(H24.5.1現在)
障害者スタッフの主な仕事:
注射針の切り離しをする仕事、液体抗がん剤を入れる袋を準備する仕事、固定用のばんそうこうをカットする仕事、医局の当直室のベッドメーキング、緩和ケア病棟の手すりを拭く仕事、患者さんの点滴台を点検し磨く仕事、等
おまけ:国立がん研究センター東病院での障害者雇用の詳しい模様はこちらでも見られます。
障害者雇用への取り組み
パンフレット

 


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