障がい者雇用事例/おおつかがゆく!

グループ会社の誰より顔が広いのが我が社の主役である知的障がい者社員たちです

株式会社ぱどシップ(株式会社ぱど 特例子会社) 
取締役 大沼  裕恒  さん

フリーペーパーの草分け「ぱど」。実はFVPの「夢ある街のたい焼き屋さん西調布店」の広告でもお世話になっております。
タウン誌ビジネスのリーディングカンパニーがやっているユニークな特例子会社の仕事。興味津々で伺いました。

おおつか:会社の主役である知的障がい者の社員さんの仕事を教えてください。
大沼さん:現状は営業所間の社内メール便配送が最も大きなウェイトを占めています。毎日、桜木町を拠点に電車を乗り継いで、新宿・大宮・北千住など首都圏7ヶ所の親会社営業所に文書や備品などを受け渡してくる仕事です。
配送から戻ると「ぱどんな」さん向けバースデーカード(※)や販促物などの作成、スタンプ押印、DMなどの印刷・封入・封緘・発送、各種資料セットアップ、ラミネート加工、廃棄書類のシュレッダー処理、伝票整理など多岐にわたった仕事をしています。
※家庭版のタウン誌を配布する地元の主婦の方などを「ぱどんな」さんと呼んでいる。現在首都圏では約8千名が活躍。
親会社の株式会社ぱどでは、ぱどんなさんに感謝の気持ちを込めて、年1回バースデーカードを送っている。

朝礼では、知的障がい者社員自ら声かけし進行していきます。
みんなで1日の予定や連絡事項などを共有します。
大きく元気の良い声がオフィスに響いて、気持ちが良いです。
柔軟体操もやります。

出発前の持ち物の点検です。
一つひとつ、声に出し、指差し確認をします。
完璧です!

このかばんに「社内メール便」が入ります。

親会社の他部署と共有しているぱどシップのオフィスを出発し、隣のビルに入っている親会社総務部へ。
(とても礼儀正しく)「おはようございますっ!」(ぱどシップの障がい者社員)
「おはようございます」(笑顔の親会社社員さん)
親会社社員さんたちとの笑顔の挨拶が、いたるところで交わされます。
大沼さん:ぱどシップの知的障がい者社員も、親会社社員の顔と名前をすぐ覚えてしまいます。毎日営業所間を行き来しているので、グループ会社内いちばん顔が広いのは彼らかもしれません。

総務部で担当配送先社内メール便の書類をかばんに詰めます。
間違いのないように、営業所名、番号などを声に出し、指さしで確認します。

「行ってきます!!!」
目的地に向けて出発。
7つの営業所を4つのルートに分け、6人が毎日2人1組または1人で1ルートずつ担当し配送しています。
雨にもかかわらず、颯爽と配送に出発したぱどシップ社員さんたちなのでした。

連絡用のPHS。
移動中はこれを常に携行しています。

オフィスは、いたるところに「見える化」の工夫が。
こういう職場環境は、ミスが起こりにくいです。
障がいのあるなしにかかわらず、仕事がやりやすい職場です。

おおつか:ぱどシップの知的障がい者社員さんだけで配送する仕事に対して社内の反対意見はありませんでしたか。
大沼さん:心配する意見はありましたが、我が社は「チャレンジを認め機会を与えよう、やってみよう」という社風です。なので、「心配だから始めない」ではなく、「どうしたらやれるか。とにかくやってみようよ」と始まりました。
おおつか:で、やってみたら出来た(笑)。
大沼さん:そうです(笑)。

大沼さん:当然事前にあらゆるリスクを想定し、マニュアルをつくったりロールプレイングしたり、開始してからも同行して出てきた課題を挙げさらにリスクマネジメントを行いましたが、そんな心配をよそにうまくいきました。
おおつか:これがそのマニュアルですね。
大沼さん:そうです。みんな配送時には常にかばんに入れて持ち歩いています。(現在は全員に仕事が定着し、取り出してみることはほぼないそうです)

おまけ。
ぱどんなさんに送るポップアップバースデーカード。
年間8000枚も作ります。
かわいいです。

~おおつかのひとりごと~

障がいのある従業員がイキイキと働く職場におじゃまするのは本当にうれしいものです。
オフィスに一歩足を踏み入れたとたん、おおつかのイキイキ度は最高レベルでした。
笑顔。責任感。誇り。成長。やりがい。当然苦労も。働くことで手に入る喜びを感じている従業員さんたち。
元気をいただきました。
始まって1年でこんなに素敵な職場を作られるぱどシップさん。1年度、2年後がものすごく楽しみです。

訪問先データ

会社概要
会社名:株式会社ぱどシップ
従業員:8名(知的障がい者6名 うち重度2名)
所在地:神奈川県横浜市中区桜木町3-8横浜塩業ビル
TEL:045-270-8410
URL:http://www.pado.co.jp
(親会社株式会社ぱどホームページ)

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