障がい者雇用事例/おおつかがゆく!

「仕事をする上では彼らを障がい者扱いする必要はありません。十分戦力になってくれます。」

株式会社松阪【神奈川県・横浜市】
取締役副社長 南雲  幸江  さん

横浜で出張料理専門の事業を展開する株式会社松阪。6名の知的障がい者が活躍しています。職人さんや地域のパートタイマー従業員と一緒に働いてる姿は、あまりにも普通です。そして何より職場が明るい!「障がい者雇用やってるんだぞぉ」なんて力みが全くないのも素敵です。

 

本社と工場です。横浜の本牧にあります。


取材にお邪魔したときは、ランチ用の仕出し料理の盛り付けの真っ最中。 一番忙しい時間ということで緊張感が漂っています。

おおつか:障害のある方もない方もイキイキ仕事をしていらっしゃいますね。
南雲さん:普通ですよ。障害があるからと言って特別扱いしていませんからね。
おおつか:雇用を始めて10年だそうですね。きっかけは何だったのですか?
南雲さん:夫である社長が、「ウチで障がい者の人を雇用するぞ」といったのです。故郷で福祉法人の運営をやっている友人から障がい者 の働く機会が少ないということを聞いたのだそうです。 「洗い場であれば雇えるかも」と思ったみたい。社長は一度決めたらぜったいやり通す人ですから、副社長の私としては「やれるようにする」しかない(笑)。

おおつか:最初に何をされたんですか?
南雲さん:ハローワークに行きました。そこで就労支援機関を紹介してくださいました。トライアル雇用などの制度を活用させていただきながら進めていったんです。
おおつか:雇用されてみていかがですか?
南雲さん:当時の気持ちを正直申し上げると、彼らは別世界の人だと思っていました。大丈夫かな?ほんとに仕事できるのかなと。でもそれは間違っていました。実際仕事はできた。 彼らから教えられたことも沢山ありました。 挨拶する、目を見て話す、間違ったら謝る。社会人としてあたりまえのことですが、なかなか出来ていなかった。彼らはそれを気付かせてくれました。

 

おおつか:教育や研修はどのように?
南雲さん:まずはとにかく一緒に仕事やっています。できたことはしっかり評価する。できないようであれば、その人に合わせてその何度も説明します。特に障がい者に限ったことではありませんね。最初の頃はコミュニケーションのとり方がわからないこともありました。偶然福祉に関心があるという社員が一人いて助けられました。その社員の接し方を見て、どのように接したらよいか、どのように指示をしたらよいかということを学びました。障がい者従業員達の面倒も良く見てくれました。

 

障がい者従業員の1人、中村明子さんです。
主に洗い場を担当。ボスです(笑)。勤続10年です。

白石篤さんです。
白石さんが洗い場に入った日の器はピカピカ。職場は絶大な信頼感を得ています。

 

高松由希子さん。とにかく手が早い!


川内 庸さん。
すばらしい笑顔で挨拶をしてくださいました。こんなスタッフが居たら職場は和むこと間違いありません。

 

おおつか:気をつけていることはありますか?
南雲さん:障がい者従業員に限らず、すべての従業員に対して、お互いの心遣いを大切にしようといつも言っています。スタッフに対する心遣いができない人間はお客様にも心遣いが出来るワケがないですから。
おおつか:福祉起業を目指す方、障がい者雇用に取り組む方へひと言メッセージを。
南雲さん:仕事をする上では彼らを障がい者扱いする必要はありません。十分戦力になってくれます。彼らが居てくれないと会社が立ち行かない。彼らを特別扱いすることなく、必死になって一緒に働くこことで、彼らも伸びるんだよ、そう思います。

~おおつかのひとりごと~

「彼らに教わることが沢山ある」そういい切る副社長の南雲さんの笑顔が素敵でした。ユニフォーム姿のスタッフは障がい者も健常者も関係ありません。一緒に働く仲間、それだけです。障がい者の働く機会は地域の中にこそある。あらためて確信したおおつかでした。

訪問先データ

会社名:株式会社松阪
従業員数:70名(うち6名知的障がい)
所在地:横浜市中区本牧町2-313-5
TEL:045-622-0141
株式会社松阪
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/shogai/
shuro/hamalization/h20/03.html

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