障がい者雇用事例/おおつかがゆく!

福祉施設との連携・協働で重度障がい者の雇用を実現

プルデンシャル・ジェネラル・サービス・ジャパン有限会社【東京都・千代田区】
代表取締役社長 椎名 政一さん

「我が社らしい特例子会社はどのように作るべきか」人事担当者の方はみんな悩みます。さかのぼること3年前、親会社であるプルデンシャル生命から、特例子会社を設立せよとの指示を受けた椎名さん。保険業法という制約の中、試行錯誤を繰り返し、見事7名の重度知的障がい者の雇用を作り出しました。「プルデンシャル・ジェネラル・サービス・ジャパン(以下「PGSJ」と略す)」でやっている仕事は。。。。

 

こちらの事業は、クッキーの製造が主力の一つなんです!
ええっ?なんで~ と思いますよね。
ブランド名は「WITH」。
缶入りのギフトパックは1500円です。素敵!かわいらしいです!おしゃれ~。こんなのもらうとうれしいですよね。
プルデンシャル生命のライフプランナー(営業社員)を中心に本社社員や、まだ量的には少ないですが社外の顧客にも販売されています。

 

おおつか:どうしてこの事業を選択されたんですか?
椎名さん:花卉栽培、ビル内清掃、名刺印刷、観葉植物のレンタルなど様々な業種を検討しました。その中で将来に向けて永続的にかつ経済的にも見通しの立つ仕事として選択した事業のひとつがクッキー製造だったんです。もうひとつの理由があります。せっかくだから社会に役立つ夢のある事業をやりたかった。プルデンシャル生命の企業文化を反映したものでありたい。だから普通と同じようなやり方では我が社らしくないと思った。あ、私の性格も関係しているかもしれませんね(笑)。

 

おおつか:なるほど。「夢のある」というのはすばらしいですね。
椎名さん:採用についても大切にしている考え方があります。一般的には企業就労が難しいとされる方の雇用の場を用意していこうということです。障害程度でいうとA区分と呼ばれる、いわゆる重度の障害のある方を中心に採用しています。十分戦力として活躍してくれています。

 

おおつか:福祉施設と連携をされているとか。
椎名さん:地元のNPO法人上福岡障がい者支援センター21と連携しています。このフロアの一部はそのNPO法人のデイケア施設の事業所として使っており協働関係にあります。デイケア施設にクッキーの袋詰めの仕事を委託し、採用のアドバイスや弊社の社員(障がい者従業員)の生活面でのサポートを施設にお願いしています。

 

椎名さん:コミュニケーションのとり方、トレーニングの仕方などまったくの未経験分野でしたので、本当に助かっています。適性や働く力の見極めの部分でも実にきめ細やかです。企業が障がい者の生活まで支えていくのは現実的には難しい。だが福祉にはできる。会議を一緒にすることもありますよ。
おおつか:いいですね~。お互いの得意分野を発揮し合っているんですよね。でも福祉とコラボって意外と難しいんですよね。
椎名さん:ご想像通り結構苦労しました。いろんな福祉施設を当たりましたが、我々の提案になかなか乗ってもらえなかった。逆にあまりにも依存心が強かったり。
それで分かったことですが、障がい者雇用とか利用者の工賃アップというテーマは、実は福祉施設のインセンティブとしてはあまり大きくなかったんですよ。そんな中でやっとめぐり合えたところが「ここ(埼玉県川越市)」だったんです。

 

― 工房房内を見せていただきました ―
アイスボックスタイプのクッキーを作ります。
社員さんの間で「火星人」と名づけられた成型器。
すごいスピードで並べています。
これは和三盆のクッキー

 

おおつか:みなさんいきいきと仕事をされていますね!
店長の寺西さん:現在7名の知的障がい者の方が社員として働いています。朝9時30分から16時30分の仕事ですが、ものすごく熱心に仕事をしてくれています。

 

おおつか:寺西さんはどんなお仕事をされていましたか?
寺西さん:プルデンシャル生命の本社では教育関係の部署におりました。それまでは知的障害の方との関わりは皆無でした。
おおつか:まったく分野が違うんですね
寺西さん:辞令が降りて本当にびっくりしましたが、一緒に仕事をやってみるとまったく取り越し苦労でした。まったく変わりませんでした。一緒に働く仲間です。

 

~社員さん(障がい者従業員)にインタビューいたしました~
加藤さん(左上)…4月に入社したばかりです。クッキーを並べる仕事やオーブンの確認もします。
小林さん(右上)…オーブンに入れるクッキーを並べる仕事、オーブンの確認もします。
林さん(左下)…クッキーの詰め合わせの仕事をやっています。スターティングメンバーの1人です 。
落合さん(右下)…去年の9月から働いています!

 

高木さん(上)…スライサーの仕事の担当です。お給料で北斗星に乗って旅行に行くのが趣味です。
市川さん(右下)…スターティングメンバーです。クッキーを並べる仕事は達人です。
吉田さん(左下)…粉を練るミキサーの仕事、クッキーを並べる仕事などたくさんの担当があります。
みなさんプロとしての誇りを感じます!がんばっておいしいクッキーをつくってくださいね!

 

~おおつかのひとりごと~

企業と福祉施設がひとつのフロアに同居しています。お互いが得意なことを発揮して障がい者の仕事や生活を支える。そんな時代がやってきたのですね。 PGSJの障がい者従業員の方たちは重度といわれる方々。おおつかが訪れた作業所にはPGSJの障がい者従業員の方よりもっと障害の軽い方もたくさん。作業所では工賃が1万円。PGSJに就職すると月給11万円。正社員としてボーナス年4回など本社社員と同一の処遇を受けています。みんなすごくイキイキ仕事をしている。誇りを持って仕事をしている。超かっこよかったです。

訪問先データ

会社名:プルデンシャル・ジェネラル・サービス・ジャパン有限会社
住所:本社 :東京都千代田区永田町2-13-10プルデンシャルタ ワー14F
TEL: 050-5527-7921
菓子工房 WITH
http://www.with-pgsj.com/

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